[Ⅳ213] 女が男を保護する事(13) / 女は「存在」/男は「現象」
再び多田氏の『生命の意味論』の話に戻る。◎アポトーシスと性:アポトーシスは人間の性の決定にも関係しています。男性生殖器の輸精管の大もとになるウォルフ管は、男性ホルモンの影響で発達しますが、その時女性生殖器の輸卵管の大もとであるミューラー管がアポトーシスによって退縮してゆくという過程が絶対に必要です。つまりミューラー管の細胞が「死ぬ」という過程が起こらなければ男性生殖器が完成しないのです。それに対してミューラー管は、ウォルフ管が死ななくても自然に発生して輸卵管を作るので、ミューラー管にアポトーシスが起こらなければ、人間はみんな女あるいは両性具有者になってしまうことになります。ちなみに精巣から分泌される男性ホルモンであるアンドロゲンが働かないと男性器となるウォルフ管が退縮してしまって、自然に女性化してしまいま...[Ⅳ213]女が男を保護する事(13)/女は「存在」/男は「現象」
[Ⅳ211] 女が男を保護する事(11) / 生命とは何か‥多田富雄さん
今日自然科学の世界では鑑三翁の時代に比較すると想像もできないほどの長足の進歩を遂げ、膨大な知見が蓄積される時代となった。生命科学や生老病死に関する医学生物学的知識は目を見張るほど日々新しい知識が加わり続けている。人間の生命現象(研究)は現在どのような地点に立っているのか、私も強い関心を抱くがその全貌を把握することは到底不可能である。鑑三翁が私と同時代の人間であったとしたら、理学の人・内村鑑三は、この今の時代の「生命科学」の成果を十二分に読み込んで「聖書」及び神とキリスト・イエスと対話を重ねたことだろう。そして鑑三翁は現代の解明された「生命科学」の知見に〈神の存在をより鮮明に知覚し、神の造化の精緻を再確認し、鑑三翁の思想をより深化させていった〉と私は確信している。ここからは鑑三翁が今の時代を生きていたら覗い...[Ⅳ211]女が男を保護する事(11)/生命とは何か‥多田富雄さん
[Ⅳ215] 女が男を保護する事(15) / ユダヤ教指導者の寛容と思慮深さ
鑑三翁「ヨブ記」解説の途中だが、少し脇道にそれる。「ヨブ記」のような異端とも思える著作を「聖書」の一巻として収載した編集当時のユダヤ人指導者たちの高い見識というか慧眼というか、寛容さについては驚くばかりである。私が一時期出来の悪い信徒として通っていたプロテスタント教会の指導者は、私が「ヨブ記」の事に関して質問をすると、返事はするものの本当にこの書の趣旨を深く学んでいるようには思えず、明らかにこの書を軽視している様子だった。彼は内村鑑三に関しては「無教会主義」の一言で無視し、鑑三翁をキリスト教背教の徒としてしか見ていなかった。さて聖書の中でもう一つ異彩を放つ書として「伝道の書」(共同訳聖書では「「コーヘレトの書」)がある。「ダビデの子、エルサレムの王である伝道者の言葉。伝道者は言う、空の空、空の空、いっさい...[Ⅳ215]女が男を保護する事(15)/ユダヤ教指導者の寛容と思慮深さ
[Ⅳ214] 女が男を保護する事(14) / ヨブの妻がいた!
聖書には「ヨブ記」がある。ヨブという人は実在の人物とされている。『新聖書辞典』によれば、彼の生地はウズという地でアラビア半島北部の地。この記録を遺した記者はおそらくイスラエル人で広く外国を旅行し見聞を広めた国際人であるとされている。成立は前5~3世紀とされているが、いずれも諸説ある。鑑三翁には『ヨブ記講演』(岩波文庫、2014初版)がある。鑑三翁にとっての「ヨブ記」は自身の身近な経験に照らして強い共感を抱いていた。「ヨブ記」に関しては合計3回の講演を行っている。1920年には東京で行われた「内村聖書研究会」の「ヨブ記講演」がスタートした。これは鑑三翁の第三回目の講演である。東京の会場には毎回数百人の聴衆が集まり立ち見の人が出るほどであったと鑑三翁が記している。この連続講演会は畔上賢造氏によって筆記されて毎...[Ⅳ214]女が男を保護する事(14)/ヨブの妻がいた!
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