うつ地獄日記 ―音のない牢屋の中で― 697
朝なのか夜なのか、もう分からない。 カーテンは閉じたままで、光も音も遮られている。 時計の針が動いているのかどうか、確かめる気力もない。 けれど、何かが確実に過ぎていく感覚だけが、身体のどこかで鈍く響いている。 目は覚めた。 でも、それは「起きた」とは言えない。 ただ意識が浮かび上がってきただけだ。 目を開けるのも、ひどく疲れる。 まぶたの裏にまだ夢の残骸がへばりついていて、現実と混ざり合って、どこまでが本当か分からない。 私は、ここにいる。 だけど、自分が「生きている」と言っていいのかどうか、よく分からない。 部屋の中は静かだ。 テレビもラジオも、もちろん人の声もない。 壁に囲まれた空間は、…
2025/06/27 10:29