メタファーとしての膵臓癌
自分がどうして膵臓癌になってしまったかを考えてみると、世間での自分の振る舞い、 立ち位置に思い至る。 自分は学生時代を含め、社会で働くようになってからも、自分の居場所をうまく作れず、いつも隅っこのほうで鬱屈の塊のような存在であった。 端的に言えば、他者との交際がうまくいかず、いつも独りぼっちであった。 心の片隅には、夏目漱石の「行人」の主人公、一郎が「死ぬか、気が違うか、それで なければ宗教に入るか。僕の前途にはこの三つのものしかない」 これと同じ思いが、高校生の頃からあった。数少ない知人、友人は自殺を断行できた者も、意図せず、統合失調症になった者も、カルトと言われていた宗教に入って、 行方不…