〈定位〉から考える聴覚過敏14 まとめ
ほかの聴覚過敏の原理に当てはまるかどうかわかりませんが、私の聴覚過敏においては、まず定常位置の転覆を驚愕する心があり、みずからの定常位置へ同化/異化する選別作業としての摩擦と刺激が多くなっている様子をみてきました。その選択の前段階としての対応に追われるために、本来的な選択的注意ができにくく、能動か受動か構えを決めかねて、姿勢が不安定になっていました。 「火に油を注ぐ」原始的不安や正体不明の音が一切ない「安定しきった」状態においては、地震が起こる前段階を思わせる動揺にとどまりやすいですが、とりわけ音の意味が不明瞭である場合、理解しうる意味を求めて想像力と幻想の過剰補完が起こっていました。 定常位…